自分を脅迫のネタにできる人って凄いなあ、と思う。
相手に言うことを聞かせるために「それが出来ないようならお別れだね」「次やったら関係切るわ」と臆面もなく吐くことができる人。 自分と言う尊い存在を失いたくなければ、要求を呑め、とのたまうのだ。 凄いよなあ、と思う。
抱いていた不信感や不快感を伝えるくらいなら、相手にサインを送る意味でも必要なのかもしれないけど、怠った際の代償を一方的に提示するのは脅迫だろう。 少なくとも、恋人か家族か、サイン以上の要求を行うなら、それなりの前提関係が必要だ。
勿論、そこまでの仲じゃなくても、親交を深める上でお互いに調整すべき点があり、腹の内をぶつけ合って切磋し合うことはあるだろう。 かといって、別離を前提とした会談なんて刹那的過ぎる。 支配欲があるか、目先に揺蕩う表面の薄皮しか見えていないか。 どちらにせよ、自分が変わらず相手の変異を促す行為に、傲慢以外の名を僕は知らない。
関係を切りたければ、切る。 完全な自己都合で、何の前置きもなく。 警告や忠告なんて、それこそ自己愛表現だろう。 切り離すことを考えてしまうくらい、自分が価値を認めていない相手が、一方的に自分との繋がりを寵愛してるはずがない。
こんな断絶を、冷たいとか、相手が可哀相だ、って言う人もいる。 切りたい人間と薄っぺらい付き合いで体面を取り繕ってる腹黒カメレオンと、自作自演の誘拐犯が、誰に何を咎めてんだ。 自分で覆ってるそのヴェールを解けよ。 腐れた臓器が透けて見える。
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自分を脅迫のネタにできる人って凄いなあ、と思う。
とはいえ、偉そうにのたまっちゃあいるが、僕もやったことがないわけじゃない。 自分の眉間に銀玉鉄砲を押し付けて、要求を飲めないなら、人質を殺すぞ!ってやつ。 ごっこ遊びにしても幼稚だし、思い返せば恥ずかしさしかない。 出来るなら二度としたくないね。
・・・ん? ごっこ遊びの、その後の結果? 警察に囲まれた誘拐犯の顛末なんて、どこも似たようなもんだろ?
