装備:経験

 経験には二つの側面がある。 危険予知への転用と、再チャレンジへの礎だ。 要は、“触らぬ神に祟りなし”か、“失敗は成功の母”かなんだけど、僕なら迷うことなく後者を選ぶね。 いるかどうかもわからない神仏より、育ててくれたお母さんありがとうに決まってる。

 そう、僕は何度でも繰り返す。 色んな女難や不幸に苛まれて来たけれど、経験を盾に引きこもったりはしない。 とはいえ、刻まれたダメージを無視することは出来ないから、やすやすと人を信じたりは出来ないけど、いけると思えば信じるし、好きだと思えば愛する。 ハードルは上がるかもしれないけど、上がったなら上がった分だけ高く飛べばいい。 難攻不落の壁は作らない。 経験は身を守る為の鎧ではなく、攻め勝つ為の剣だ。

 僕が今回別垢取って逃げ惑ってんのは、傷つかない境界線を超えて心を開いたからだ。 ノーガード戦意ゼロのところに痛烈なボディ喰らって平気な顔は出来ない。 立ち直るのにも時間がかかるが、致し方ないことだろう。 そうならない為のガードを、取り下げたのは自分の意思なんだから。

 仕方ないよね、仕方ない。 ガードしてちゃあ、君の手を握ることも、優しく抱きしめてあげる事も出来ないんだから。 どっちにしろ出来なかったけど。

 この決断を油断・慢心と罵られたなら、そうですね、としか言いようがない。 事実、ノックアウトされた以上、僕の行為は失敗だったってことになるけれど、やっぱり、そうですね、としか言いようがない。 こうなる可能性は頭の片隅にあったんだもの、どんまいどんまい、次はがんばろ、ってなもん。 ガードを下げるタイミングに関しては反省してるけど、ガード体勢を生涯維持しようとは思えないよ。 しんどいじゃん、無理無理。

 だから、僕は何度でも繰り返す。 次こそは、って願を掛けて。 経験で道を閉ざし、八方塞がりになるってのは最も愚かしい行為の一つだ。 可能性は、断じて閉ざさない。 ちょっとくらいの擦り傷を恐れていちゃあ、真の楽園には踏み込めないのだぜ。

 

 とはいえ、僕のボディにスゲエもん打ち込んできた魔女その人が再訪してきたらどうするだろう? 経験どころか、元凶そのものなワケじゃん。 避けるのか、次はもっと巧くやろうって水に流すか? ずっと考えてて、時々で前者だったり後者だったり、回答は揺れ動くけど。 それでもきっと、最後には後者、共存を選ぶと思うんだ。

 んなワケねーだろお前はノータリンか、キレイゴト乙、って声が聞こえてきそうだし、言ってる僕も半信半疑だけど、多分。 多分、ね、間違いない。 容易く許してしまうと思うんだよ。

 何故なら僕は、僕を好きな人が大好きだから。 どんなクソ野郎でも、僕を好きだって公言する人を嫌いにはなれない。 ノーガードは無理だけど、強い警戒は抱くだろうけど、拒絶なんかしない。 何回でも僕を幻滅させてくれ。 根っこに愛があるのなら、僕は何処までだってバカになれる。 高く、高く、どこまでも高く飛べるんだ。

 

 でも、拒絶された場合、てめーはダメだ。 僕を想っての事だろうと、僕自身に非があろうと、拒む人には一ミリも譲歩しないし挑戦もしない。 閉まった扉はこじ開けない。 扉は開く為にあるけれど、閉ざされた扉は拒む為にあるんだろう。 目的を度外視してまで、後ろ向きを振り向かせてまで、執着したいナニカが君にはきっとない。 マイナスからプラスへ、座標軸を渡るには相応の熱意が不可欠だ。

 だから、魔女と切れた途端に僕のメッセージを無視した男子高校生@魔女の囲いと、Twitter上で僕をネタにしてあざ笑っていたゲーム仲間、そして煽り元の魔女は絶対に許さない。 絶対にだ。

 それでも謝意と共に歩み寄られたら簡単に許す。 なかったことにはできないけど、一個一個清算できれば形は元に戻る。 絶対に許さないけど、絶対に許すだろう。 僕の言う絶対なんてこんなもん。 

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 多分、魔女はもうスキマを作らないだろう。 自分を好きな人はいくらでも囲わせてあげるけど、敵は容赦しない、ってタイプだからだ。 「不細工に目をつぶって散々気に掛けてやった上、今回の非礼だって許してやったのに、急に目の前から消えるとか恩を仇で返す奴は敵だ!」とか思ってるに違いない。

 ・・・や、それすら思ってないな。 多分、彼女は僕に対して一切の興味関心を抱いていない。 僕が憧れている境地、好きの反対、無関心に至っているに違いない。 周りには気にしているフリをして、私、弱い子アピールを繰り広げているかもだけどね。 エンターテイメントの話はどうでもいいよ。

 只、記憶にすら霞がかかったような僕に、開けるような扉もスキマもないことは事実。 や、それでも仲良くしたいならチャンスくらいやるよ、ホレ、扉の鍵はこの部屋の何処かに隠しておいた、這いつくばって探せ、・・・程度のスキマはあるかもな。 どちらにしろ、そんな相手に試行錯誤・切磋琢磨しようって熱意は毛程も無い。 別の囲いと楽しくやってろハゲ、って感じ。

 こんなクソみたいな男にチャンスをくれるだけ素晴らしいだろ、って? 僕が一方的に慕っていただけならともかく、「彼氏には出来ないけど特別な友達、君は特別な友達だよ」って連呼してた奴にこんな扱いされて、なんて度量の広い御方だ!なんて思えるはずもない。 ただの腐れ魔女と揶揄する他ないだろうよ。

 

 嗚呼、ガードを下げなければ、こんなに無関心が刺さることもなかっただろうに。 結果に後悔は無いし、自業自得にも自覚があるから受け入れる、受け入れるけど、苛立ちを、腹立たしさを、理屈で押し殺せるほど人間は器用な生き物じゃない。 だから僕は、愚痴る。 閉鎖空間に陰口をブチ蒔ける。 誰の目にも届かぬ場所で、誰の迷惑にもならないように、ひっそりと、ひっそりと。

 いびつだと言われても、これが僕の手段。 これが僕の生きる道。 いびつさに真っ直ぐなんて言葉は嵌まらない。 玉虫色で、日々転がる我が感情。 共感を求めず、交感も望まず、されど口外は拒まず。 口内発射が、夢。 ゴックン、させてぇーな・・・(今まで見せた中で一番いい男スマイル)

 

チェキ

ゴックン、させてぇーな・・・

Leave a Reply