なんだって経験が知識の穴埋めをする

 彼女出来ない理由を問われる時、よく「理想が高いんだろ」って言われます。 友達も多いし、合コンもたくさんやるのに、6年近く彼女が出来ないなんてありえない、理想が高いとしか思えない、と。 そんなことない、そもそも僕になびいてくれる女子がいない、内側で反芻しながらも、表ではそうかもね、って適当に相槌を打ちます。

 状況証拠と想像だけで話をしやがって。 僕は僕の身の丈を理解しているし、可愛いとか性格いいとかそんなのよりもまず僕自身を好きになってくれる人の存在なんだ。 そんな言葉を反芻して反芻して、胸の内に押し込めて、真実をひた隠した気持ちになって。

 

 そして気付きます、状況証拠と想像だけで思い込んでたのは自分の方、ということに。

 

 存外に、恋仲になれそうな女子は存在するんです。 僕の気持ち一つだったり、押せるかどうかだったり、そういう子ってのは本当にたくさんいるんです。

 それは告白されたり、手を出されたりした時、知識ではなく現実として脳幹を貫くのです。 ああ、何もわかってないのは僕の方だった、と、その瞬間、刹那になって初めて理解するのです。 耐えがたいほどに愚鈍で、情けない己も、刹那になって初めて理解するのです。

 

 とはいえ、手を繋いだり、デートしたり、セックスする相手に理想を求めてるのではないのだと思います。 自分がどんな女性と付き合ったか、その歴史に名を残せるに値するか否か。 大事なのはきっと、そういうところ。

 そんな未来のことを何より最初に考えてしまう僕は、多分コレクターなんだろうなあ、と思います。 愛だの何だのってのは全部茶番。

 不細工なら不細工で突き抜けて不細工でいて欲しい、後でネタに出来るから。 性格が悪いなら悪いで阿呆みたいに歪な方がいい、後でネタに出来るから。 突き抜けた個性を求めて、あとから笑える何かに出来るように、思い出だけでも愛でてあげられるように、って負け犬根性が根幹なのです。 

 今の状態も、6年近くも彼女が出来ない、即ち我慢してきた分、次はとびっきりの美女がいい・・・なんて発想ではなく、溜めた分だけ凄まじい個性を持った女性じゃないとネタにならない、っていう不可思議な発想が根っこなのでしょう。 現実として脳幹を貫かれて初めて此処に到るとは、嗚呼愚鈍。 何より歪なのは自分だというのに。

 

  * * * * * * * *

 

 というワケで何十回目かの合コンで、遂に先方から露骨なアクションをされるに到りました瀬駆ですこんにちは。 明らかに脈があるし、かといって僕に一途な感じもなく、いい人なら誰でもいいという尻の軽さが垣間見えている。 重くなくチョロい感じがウン年振りの彼女としての理想ピッタリなのですが、どうにも食指が動かない。 理由は恐らく長い前置きそのまんま。

 んー、僕を好きでいてくれたら何でもいいと思ってたのに、こんなところで贅沢発揮しちゃうとは思わなかったなあ。 気付いてしまった以上、贅沢発揮で恐らく楽しめないであろう合コンを、このまま続けていていいものだろうか。 合コンにおける勝ち組に入った優越感で2次会代を多めに払うという意味不明なアクションも取ってしまったし、金銭問題にも繋がるなら死活問題。 そろそろ自分の将来とかしっかり考えないといかんのかもしれぬなあ。

 

吹き出し

Leave a Reply