聖者では或れない

 僕が合コンなり紹介なりをする時は、一定のパターンを敷く。 即ちトラップ。 自分以外の人間を相手が選んだ時、絶対に手痛い想いをするようなシチュエーションだ。

 例えば彼女持ちだったり、例えばヤリチンだったり。 外見や第一印象には乏しいが、中身を開闢すれば最高の人間!みたいな奴は絶対に連れて行かない。 そういう奴は得てして好評を得にくいし、合コンで絶大な評価を得るのは圧倒的にクズ野郎なのだ。 ならば相手の評価を得られて、且つ選べば絶望しか待ち得ないチャラ男を連れて行くのは必然。 トラップと冒頭で告げたが、これは必然が織りなすゴールラインなのである。

 今回の合コンも、我が陣営は全員彼女持ちであった。 相手にはそれなりに可愛い子がいて、それなりに心が振るわされたりもしたけれど、いつの間にか友達とチュッチュベロベロしている様子を見て、僕が抱いた夢は霧散する。 とはいえ、もっと不細工を呼んでおけば、なんて後悔は無い。 可能な限りのイケメンを揃えて、可能な限りの魅惑を乗り越えてくれなくては、恋愛対象になどなりようがない。

 そうやって刹那の快楽を捨て、僕は全ての女性をふるいにかけ続ける。 自分の魅力を棚に上げて、愛すべき友人達をフィルター代わりに、上から目線の取捨選択をし続ける。 こんな発想を抱きながら、出会い欲しい!出会い探してる!とか馬鹿げているよね。 なんだかんだで、僕には是が非でもって必死さが足りないのだろう。 未だに選ぶ側に立っているつもりなのだから笑える。

 

 例によって合コンマラソンは失敗に終わったけど、そこまで深い失望や絶望はない。 僕は明らかに理想が高いし、その到達点を容易くクリアされたくないという反骨心も、きっとあるのだろう。 出会いを求めながら、合コン如きで目当ての女性を拾いたくないという圧倒的矛盾。 チャラ男にも真面目男にも成り切れない、中途半端な浮遊男がここにいるって話。

 もう、楽しければ何でもいいや。 苦痛も願望も全部飲み込んで、僕は僕の道を往く。 いつかどこかで報われると、適わぬ願いを抱いて墓場まで。 どう見てもM男です本当に略。

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