トンネル野郎

 右から左へ、東へ西へ、得た情報は全てバラ蒔く。 情報屋としての矜持でもあるのか、バラ蒔くことで得られる賞賛でもあるのか、奴は少しの疑念も抱かず、情報をバラ蒔き続ける。

 バラ蒔かれた相手は、まさかこんな情報を貰えるなんて、って顔で驚く。 あまりにもホイホイバラ蒔くもんだから、自分以外の誰かにも同じことをしてるんじゃ・・・なんて当たり前の疑念が湧かない。 バラ蒔きが大規模すぎるのだ。 自分だから特別なんだろうと、特別でもないのにこんなにバラ蒔く人間がいたら凄い、酷い、僕の親しき人がそんなトンネルクズ野郎なワケがない、という逆接の否定。 ホントはただのトンネルクズ野郎なのにね。

 このクズの凄いところは、罪の意識が微塵も無いってところだ。 この情報は彼を陥れるには足りないだろうとか、この情報は彼女の名誉に傷を付けないだろうとか、取捨選択を己の中で行ってしまう。

 そのくせ、大したことの無い情報を急に隠そうとする、・・・というより、それは本人に聴いてなどと、秘密があることは示唆するが、内容は言わないよ、といった思わせぶりな行動を取る。 印象付けるのだ、自分は軽い人間ではないと。 しっかり秘密を守る人間なのだと。 それ以外の大抵のことを漏らしておきながら、言葉の魔術で全てをかき消そうとする。 そう、これはきっと魔法なのだ。

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 

 昔好きだった子に話してたことが全て周りに筒抜けで、片想いの怖さを味わったことのある瀬駆ですこんにちは。 周りの悪口から僕の内面的な話までビックリするくらい漏れていて、当時は周りから冷たい目で見られたものです。 まぁ、僕も周りの色んな人の負情報をその子から聴いていたから、そこで気付くべきだったんですけどね。 ただのトンネル野郎なんだってことを。

 負の情報は言った本人が非難されても、漏らした側が追求されるようなことはないから、そりゃあ気持ちよく情報屋気取れたんでしょうよ。 誰かにコッソリ愚痴るなんて、良いイメージないからなあ。 まぁ、良いイメージないからこそ、愚痴ってのは信頼した人にコッソリするもんだと思うんだけど、見誤った僕が全面的に悪かったってことで。 若気の至り。

 

 みんな大好きハメタロウさんがTwitter退会した本当の理由が“自分の発言が漏れすぎてて人間関係怖くなったから”っていう、実に真に迫った本音を聞けまして、あぁ、自分と重ねてるって話があながちジョークでも無くなったなあ、と感じている次第。

 相手からすれば「勝手に信頼したのはそっち。本当に大切な友達の情報は喋らないよ」ってなモンなんだろうけど、じゃあその線引きって何処でわかるんだろうね。 昨日までは信頼してたけど、今日はあんまり信頼してないから話すわ、なんてことも有り得るんならお手上げだよ。 やっぱり誰かを信用して、誰かに相談する、なんてのは夢物語なんだ、って結論に至るしかない。 人の口に戸は立てられないのだから。

Leave a Reply