ストーカー・ロブスター 1

HOME >  text >  ストーカー・ロブスター 1

 

 まだ何もかもがピュアだった、中学校時代。

 僕は当時、生徒会の役員とかやってたんです。 1年目は会計長、2年目は副会長、3年目は会長・・・になる予定だったんですが、学校のトップという肩書きの重さと、実際にかかるであろう責任が嫌で、結局また副会長。 会長には生徒会なんて興味も無いようなバスケ部の個性派を無理矢理推薦し、裏の実権は俺が握っている的な構図を作り上げ、まさにやりたい放題の中学校でした。

 そんな役職的な事情も含め、僕は小中学生時代、とにかく目立っていました。 故に、僕が知らなくても皆は僕を知っている、って状況が多々あったのです。




 あ、え? いやぁ、違うよ? 自慢とか、そういうんじゃないって! やだナァ、もう! アハ、アハハハ!

 (´▽`*)アハハ・・・

 

 たしかに、生徒会室にいると僕目当ての女の子とか来たりしてたさ。 でもそれは決して モテ って奴じゃなくて、いわゆる珍獣扱い。 何故かフルネームで呼ばれ、「あー、こっち見たぁ!キャッキャウフフ」みたいな、ちょっとよくわからない見世物小屋状態。 当然デートとかセックスとか屋外ザーメン一気飲み対決とかしたワケじゃないので、本気で自慢する気は無いって言うか、むしろ自慢出来ないって言うか、ただ女子が群がってだけだしって言うか、群がってた・・・のかなァ?

 

 そう考えると アレもやっぱりモテだったのかナァ~(笑

 (´▽`*)アハハ・・・ ← 波にノッてるねって褒め称えろ

 

 ・

 

 ・

 

 ・

 
 
 とにかく、廊下を歩いてて知らない人に挨拶されるとか、そういうのが日常茶飯の日々だったワケです。 今日はそんな有名人のボキュたんが、有名税と言わんばかりに徴収されたとある女性との交友、もとい苦痛話を御紹介。 ここまでの話で少しでも羨ましいと思った人は、美味しい話にはオチがあるってことを早急に気付くべきだと思います。

 

 それは4年間にも及ぶ物語。 始まりは、中学2年の冬。 小学校の母校に遊びに行こうと誰かが計画した、あの時から全ての事故は始まった。

 小学時代の担任は大層な変わり者でした。 普段はゲイキャラやボケツッコミの応酬で愉快なティーチャーを演出しつつ、悪いことをした子には容赦なく体罰を振るい、でもそのスイッチON/OFFが全然不自然では無く、不必要とも思えず、結果、不動の人気を誇っておりました。 アメとムチの凄まじい差ゆえ、ムチしか見えない他のクラスからは極端に恐れられ、アメを頻繁に見ることが出来る担任クラスの僕らからは溺愛されていたこの教員は、僕の生涯で唯一無二の、理想教師なのです。

 そんな先生と久し振りの再会を果たし、昔話にも花が咲いて、非情に楽しい時間がゆるやかに流れておりました。 あまりにも楽しかったせいでしょうか、生徒の話なんて滅多にしない先生が、フッと思い出したように話し始めたこと。

 

 「お前達の中学に、来年凄い女が入るぞー(笑」

 

 ドッ と軽い笑いが走る。 教師に凄い女言わせる小学生ってどんなですか!なんて吹き出しながら、僕たちは普段聞けない教員から見た生徒の話にガンガン食いついていく。

 

 「化粧代に毎月1万以上掛けてたりなー」

 「修学旅行で、高校生集団(イケメン)に混じってついていったりなー」

 「けど顔はブサイクなんだよなー あっはっはー(笑」

 

 最近の小学生事情は知らないけど、1998年頃の話って事を念頭に聞いてはくれないか。 小学生は小学生らしく、中学生は中学生らしくあった時代に、小学生が化粧して高校生について行くなんてどんだけぇ~ってなモンですよ。 まだビッチとかヤリマンって言葉も知らなかった僕らは、ただただ衝撃を受けるのみ。 教師が生徒をブスと言い切った事も含めて。

  そして話は佳境へ。 衝撃だの何だの言いつつ、結局は面白くてバカ笑いを続けていた僕らが、話の〆とばかりに、お約束というかなんと言うか、そりゃ、聞きたくなるじゃないですか。 そいつの名前。 うちの学校に来るって話だし。

 あの日の僕と今、対面出来るのなら、僕はこの拳で思いっきり殴ってあげたい。 何故、あっさりその名前を聞き流してしまったのかと。 何故、警戒心を強く持たなかったのかと。 名前や特徴をしっかり把握しなかったのかと。 そうすれば、この後の様々、回避出来ていたのかも、しれないんだよと。 思いっきり殴って、その後の涙を見せてあげたいんだ。

 

 其の者は、海鮮類の王者たる者の名を、その姓名に宿していた。

 故に、コードネーム、ロブスター。